2月5日
朝から猛烈なオフショアが吹いていた。それでも6時半には海に向かうのは太郎さん。彼は朝のセッションを終えると、みんなと別れ日本への帰路につく。サーフィンを始めて2年。とにかく海に入りたい気持ちが伝わってくる。太郎さん同様に、早朝から海に入ったのがAlexだ。コンディションは厳しかったけれど、波をひたすら待ち、ゲットして行く。1時間半くらいして太郎さんは海から上がり、ボードを丁寧に梱包して行く、その姿がちょっと寂しそうだった。2日前にリーシュコードが食い込んだ板も、マイクさんのリペアを受けて戻ってきた。最後のその板をケースに入れ、みんなに別れを告げる太郎さん。飛行機の旅がいいものでありますように……。
この日はラグランに向かうことになっていた。9時過ぎにピハのキャンプ場を離れ、みんなでラグランを目指した。世界のラグランと言われるほど、ポイントブレイクのグーフィーの美しい波が立つ場所。Alex、Joshを大喜びしていた。
約2時間弱のドライブの後、ラグランに到着。凄まじいオフショアが吹きつけ、波からは大きなスプレーが上がっている。その様子を見て、待ってられないとばかりにウエットに着替える抱井さん。彼は昔、2ヶ月もこの場所に住んでいた。ラグランは本当に愛しい場所なんのだろう。
「こんな風の強い日、この場所の初心者は、ボート着き場からエントリーした方がいいよ。足場は滑りやすく、岩の貝で足を切らないようにね」と、レクチャーしてくれた。そして、
「最初の一時間はまず血圧を下げないとね。なかなか上がってこないと思うから、帰る時は声をかけてね」と言い残し、ニーパドルで出て行く。
グーフィーフッターで重いボードを駆る抱井さん。しかも知りつくしたラグランの波。最初はミドル・ポジションからグライドしていたけれど、いつしか一番アウトで波待ちし、400mほどのロングライドを楽しんでいる。抱井さん同様に、グーフィーの波を楽しんでいたのが、AlexやJoshと一緒にカリフォルニアからやって来ていたシンさん。フィッシュで飛ぶように滑って行く。緑さんとAlexも強烈な風の中、アグレッシブなサーフィンを見せてくれた。陽子さんも女性ながらロングボードでエントリー。
「風が強烈だったけど、入ってみればやっぱり楽しかったですよ」と、笑顔で戻ってきた。オレンジ色に染まった空が、徐々に濃いネイビーに変わって行く。気がつけば、時間は9時を過ぎていた。
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